日建設計本社ビル「TOILET」
2023年4月に日建設計本社ビルの2、3階部分がリニューアルオープンしました。
その一角の廊下とトイレ個室内の天井にスイス製ハイクオリティ吸音プラスター「BASWAphon・バスワフォン」をご採用いただきました。
設計監理 : 日建設計
施工 : 藤木工務店
BASWAphon施工時期 : 2023年3月
今回設計に携われた
日建設計NAD(NIKKEN Activity Design Lab.) 畑島 楓さん
日建設計設計監理部門 佐野 優さん
日建設計エンジニアリング部門 井上 瑞紀さん
にTOILETのコンセプトについてコメントをいただきました。
■誰が使うかではなく「どう使うか」に着目したトイレ
日建本社ビル3階の男女トイレを、会社のダイバーシティ&インクルージョンの取り組みの一環として利用者を問わない個室型トイレに改修した。
「トイレをどう使うか」に着目し、3種類のテーマ(Relax, Refresh, Styling)を各個室に設定した。
各個室は白いモザイクタイルをベースに、照明の色温度や目地色等を変えることで、それぞれのテーマに沿った雰囲気を創出した。
デジタルサイネージによる各室の利用表示、人が出会いにくい回遊型の配置、吸音天井や遮音扉、部屋ごとに異なる環境音や香りなどを計画し、誰もが気兼ねなく快適に使える新たな形のトイレを目指した。
relax(BASWAphon施工)
refresh
styling
■個室型トイレに求められる快適性
日本国内では「男性・女性・身体障がい者用トイレ」の区分が一般的であるため、利用者を問わないトイレが受け入れられるには、これまでの男女トイレよりも個室型トイレのほうがより快適である必要があった。
そのため、プライバシーへの配慮はもちろんのこと、音環境や光環境、香りなどの繊細な工夫を施した。
計画の初期段階において「通路に排泄音が漏れることでプライバシーを損ねないようにする」という音環境の方針が決められた。
■音環境への具体的な施策
通路に排泄音が漏れることでプライバシーを損ねないようにするため、共用の廊下よりも質の高い音環境がトイレ通路に求められた。そこで行う施策は以下の3点とした。
①トイレ個室内と通路にサウンドマスキングを導入し、排泄音や流水音などの聞かせたくない音を包み込む。
②トイレ個室の扉に軽量でありつつ遮音効果のあるものを用いる。
③通路の天井に吸音材を使うことで扉から透過した音の増幅を抑える。
■共用部と同じ意匠で連続するトイレ
一方で、意匠としては改修であるため、既存の共用部と同じ設えで連続させるという方針があった。
その理由としては、どのトイレ個室にもすべての方々がアクセスできるため、すれ違いの頻度を減らす回遊式の通路に沿って個室が並ぶプランとし、廊下と通路の間には扉を設けない設えとしたため、境のない既存の共用部に馴染むトイレを目指した。
■音環境と意匠の両立
音環境と意匠の方針が固まったが、その調整に置いては困難があった。それは、「通路に排泄音が漏れることでプライバシーを損ねないようにする」という音環境の方針と「トイレの通路は廊下と同じ意匠で連続感を持って表現する」という意匠の方針を両立するには、凹凸が少なく吸音孔が目立たないシンプルな吸音材を使用する必要があったためだ。
しかし一般的な吸音天井材は、岩綿吸音材や木毛セメント板等になるが、それでは既存の廊下のシンプルな白いペンキ仕上げとはずいぶん意匠が変わってしまう。
■白くてシンプルな吸音材
結果として、今回トイレ通路の天井に使用した吸音材は、白い塗装の天井と見分けがつかないほどシンプルであることから今回の計画に適しており、意匠的には廊下の延長のようでいて音環境としては全く質の違う空間を生み出すことができた。
実際に、隣接する廊下(ボード材+ペンキ)の空間で手を叩くと小学校の廊下のように強く反射するが、トイレ前の通路は映画館の通路のように反射音が収まっていく。
3種類のトイレ個室のうち、落ち着いてリラックスして使用できることを目指した「Relax個室」の天井にも同様の吸音材を用いたが、こちらは個室のコンセプトに合わせてあえて凹凸を残した素材感のある仕上がりとすることで、温かみのある空間となっている。
小さな個室では反射面が近いことから反射音により圧迫感を感じることがあるが、天井を吸音したことで圧迫感の少ない落ち着きのある空間が実現できた。体感した利用者からはつい長居してしまいそうとの感想もあった。
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