茨城県北芸術祭に協賛出展します。(その2)
3.11茨城県庁へ
早速、こちらの思いと事情を伺いに事務局を訪ねることにしました。その日も工場での打ち合わせの後に県庁にある事務局を訪ねると、ちょうど発生時の14時46分、庁内で皆さんと黙とう。たまたまいらっしゃった本イベントのマネージャー桑原さんがお話を聞いてくださいました。
桑原さんは国内あまたある国際芸術祭の請負人、GCの特徴を一目で感じていただける感性はさすがでした。初対面でお話しした短い時間でしたが、こちらも手ごたえを感じて帰る道すがら思い描いていたのは、GCをつかった巨大なアートモニュメント。
(ミラノトリエンナーレ2012)
コンクリートが自然のスケールの中でアートキャンバスになる。茨城なら地産の材料も豊富だし、様々な部材を製造するメーカーもある。こういう妄想の膨らみかたは、いい!直感的にそう感じました。
380CUBE
ほどなくして、事務局の桑原さんから協賛のお声かけいただきました。実現可能なアイデアとして、芸術祭に参加するアーティストを起用したアートピースをGCで製作し、会場となる町の要望とつないでくださるものでした。その町の要望とは、老朽化した町内バス停のベンチを新しくしたい、というものでした。
ただし、ファニチャーを製品開発するには十分な時間ですが、アートピースを優先にしたオブジェを会期後そこに残して利用していただくことをご提案しました。こうした実用性を取り込んだ提案は先方のご理解を得ることとなりました。
(海)
(鵜)
(日立の大煙突)
(教室)
(桜)
フォルムは、シンプルなキュービック。5面を使ったGC仕上げのコンクリートアートブロックのレイアウトを工夫してみせる。しかしながら、立体的なモノの製作はGCにとっては難易度の高いものです。私たちのイメージはできたものの具現化できる製造工場がOKするかどうか、これまでGCを手掛けている工場は県内に3社あります。高品質で均一なものを求められているモノづくりのプロ集団でもそれぞれに作るコンクリート製品は個性的で技法も色も異なります。それは、現場でお話しするとよくわかるのですが、GCについても始めるときはメーカーの皆さんは苦労されています。
今回は工場3社の賛同が得られれば、各社独自のレシピ(調合)でつくる個性的なコンクリートの特徴を活かした作品になる、その思いに賛同していただいたメーカーは 高橋カーテンウォール工業、新茨中・日本興業、富士セメント工業 の3社です。
地産でそろえた材料は、コンクリートを素材にした作品は初めてという、マンガ作家 山本美希 さん。
(Photo: 後藤さくら https://kenpoku-art.jp/artists/miki-yamamoto/)
近隣で採集されている砂利や砂に茨城の水をくわえるのは、高層ビルや土木工事の大きな部材を手掛けている茨城のPC3工場。
GCコンクリートの新しい表情を熱く模索する私たちビベルの好奇心をつなぎに。
今回はこんなチームでスタートしました。
つづく